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肝臓がん

肝臓がんについて

「肝臓がん」は、肝臓固有の細胞ががん化してできた「原発性肝臓がん」と肝臓以外の臓器で発生した悪性腫瘍が肝臓に転移してきて、発育した「転移性肝臓がん」の2種類に大別されます。さらに肝臓から発生するがんには、肝臓の大部分を占める肝細胞ががん化した肝細胞がんと、肝臓内の胆汁の導管である胆管の(上皮)細胞から発生する胆管細胞がんがあります。わが国を含めた極東〜東南アジアでは、肝細胞がんは胆管細胞がんの10〜20倍近い頻度で発生します。

最近わが国では、肝細胞がんの約7割がC型肝炎、2割がB型肝炎が原因で発生しており、そのためがんを持っている患者さんの約7割近くはウィルス性肝炎のための肝硬変を合併しています。

肝細胞がんによる死亡数は1970年代後半から急速に増加していますが、そのほとんどはC型肝炎からの肝癌死です。2001年現在も肝細胞がんの頻度は増加しており、癌での死亡数をみても男性で3位、女性で4位で年間4万人前後の人がこの病気で死亡しています。これは、第2次世界大戦後の騒乱の中でC型肝炎ウイルス感染の悪循環が起こったためとされています。肝細胞がんはだいたい2015年ごろまで増加し続けるとされています。

参考 「肝臓の良性腫瘍」
肝臓の良性腫瘍の中で多いのは肝嚢胞(のう胞)と肝血管腫です。
肝のう胞は肝臓の中の水のたまった袋で、肝血管腫は病的に太くなった血管が毛糸球のような腫瘍になった
もので、切ってみるとスポンジのような割面なので肝海綿状血管腫と呼ばれます。これらは、検診などで発見されることが多くほとんどのものは無症状で治療を必要としません。まれに非常に大きくなると、おなかが張る感じがする症状があらわれます。この場合、のう胞に対しては、中の液体を抜いてアルコールなどを注入する治療を行います。

ここではまず肝臓固有の細胞から発生した「原発性肝臓がん」のうち頻度の圧倒的に多い肝細胞がんをいわゆる「肝臓がん」として解説します。

肝臓がんの症状

肝臓癌はよほど大きくなるか進行しない限り症状はほとんどありません。検診やほかの腹痛などで超音波検査をうけた時に発見される場合が多いようです。

肝細胞癌はB型、C型肝炎の患者さんの発癌の危険が高いことがわかっているので、そのような患者さんは定期的に検査をうけ、症状が全くでない段階で癌が発見されています。
肝の腫瘍が大きくなった場合は腹痛や腹部の圧迫感、また肝機能障害が進んだ場合は黄疸、腹水、倦怠感、食欲不振などの症状がでてきます。


*ウィルス性肝炎と肝臓がん
最新の全国調査(第11回全国原発性肝癌追跡調査報告、日本肝癌研究会)によると、肝臓がん患者の68.9%でHCV抗体が、17.8%でHBs抗原が陽性です。また、2.8%でHCV抗体、HBs抗原ともに陽性です。
最近の傾向としては、HCV抗体陽性率は漸増し、HBs抗原陽性率は徐々に減少しています。

B型肝炎・C型肝炎ウィルスともに肝臓の発がんに強く関係していると考えられています。
B型肝炎・C型肝炎ウィルスによる慢性肝炎あるいは肝硬変の患者さんは肝臓がんのハイリスクグループですから、定期的なチェックを受けることが必要です。

肝臓がんの再発

肝細胞がんの再発部位とその症状
残念ながら肝臓がんは最初の治療が見かけ上完全におこなわれても、非常に再発の多いがんです。
がん細胞を最も完全にとりのぞくことができる治療である肝切除術をもってしても、治療3、5年後までにがんが再発する確率はそれぞれ65%、75%なのです。 しかし、再発に対する治療法も発達していて、再発後もかなり長い間普通の社会生活を続けることができることを理解する必要があります。

再発の多い理由は、
(1)90%以上の患者さんはB型またはC型肝炎ウイルス感染による慢性肝炎や肝硬変を合併しているので、残った肝臓に新しいがんができる危険が高いため、
(2)肝臓がんは比較的小さな段階(3〜5cm)で近くの血管の中に入り込み周囲や他の臓器に転移をおこす性質があるため、と考えられています。
実際、肝臓がんの再発部位の90%以上が残った肝臓での再発(残肝再発と呼びます)で、乳がんや胃がんなどよりはるかに同じ臓器内に再発する頻度が高いのです。

肝臓以外で多いのは肺、骨、副腎、リンパ節などです。骨に転移した場合は痛み(例えば腰の骨に転移した場合は腰や下肢が痛くなります)で気づくことがありますが、それ以外では余程大きくならないと症状は現れません。腫瘍マーカーなどの血液検査やレントゲン検査、超音波検査で再発を発見することになります。

肝臓がんは再発が多いことを理解して、定期的に通院してこれらの検査を受け、できるだけ早い時期に再発を発見して適切な治療を受けることが重要です。
再発の時期は手術後3か月以内から5年以上までいつでも起こり得ますが、1〜2年のあたりにピークがあります。

肝内胆管がん(胆管細胞がん)

はじめに述べたように、肝臓固有の細胞から発生する原発性肝臓がんには上に述べた肝細胞がん(いわゆる肝臓がん)のほかに、肝臓で作られた胆汁を肝 の外まで導く導管である胆管(肝内胆管といいます)から発生する肝内胆管がんがあります。

肝細胞がんと違い肝内胆管癌は通常肝炎ウィルス感染とは無関係に発生すると考えられています。

症状

肝細胞がんと同じく特有の症状はありません。
浸潤性(となりあった組織にしみこむように発育する性質)の強い腫瘍なので、肝臓の出口近くにあると太い胆管に浸潤して閉塞させ黄疸を引き起こします。そうでなくても肝内胆管に浸潤することで肝機能の異常をきたして見つかることがあります。

ウイルス性肝炎と関係が少ないので、肝炎の患者さんを定期的にチェックしていてみつかることがなく、検診でたまたま見つかるか、かなり進行してから発見されることが多い腫瘍です。そのため肝細胞がんに比べて見つかったときに症状がある (30%程度)ことが多いのです。肝の腫瘍が大きくなった場合は腹痛や腹部の圧迫感などが現れます。

転移性肝臓がんとは

転移性肝癌は肝臓以外の臓器にできたがんが血液にのって肝臓に転移したもので、理屈の上ではすべてのがんが肝臓に転移しますが、多いのは消化器の癌(大腸がん、胃がん、膵がん、胆管がんなど)が門脈を通って転移する場合です。 このほか乳がん、肺がん、頭頚部のがん、婦人科(子宮や卵巣)のがん、腎がんなどが肝臓に転移します。

転移性肝癌の症状と診断

臨床的上症例数が多いのは、大腸がん、胃がん、膵がん、乳がん、肺がんなどです。
原発性肝がんと同じように、腫瘍が余程大きくならない限り、転移性肝がんでも特有の症状はありません。転移性肝がんをできるだけ早期に発見するためには超音波検査、CT、腫瘍マーカーなどの定期的なチェックが欠かせません。

腫瘍マーカーとは腫瘍が産生して血液のなかに送り出す一種のたんぱく質で、腫瘍の量に比例するので、これをチェックすることで腫瘍の発生や再発を診断することができます。 しかし、すべての腫瘍が必ず腫瘍マーカーを産生するとは限らないのが注意点です。



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